会員園探訪 – 佐野保育園
2017/11/5
夏の日差しも終わりに近づいた9月の初めに、足立区にある佐野保育園にお邪魔しました。静かな住宅街の中に佐野保育園はあります。訪れた時、子どもたちは既にお散歩に出ていて、保育室内はガランとしていました。建物は新しいとは言えませんが、保育室を見回すと沢山の工夫が見られます。シーリングライトの周りには布、段ボールに色とりどりのシールが張られたゲート、乳児室には手の届くところに手作りのおもちゃが立て掛けてあります。(シーリングライト周りの布は、お昼寝の時にまぶしくないように掛けているのだそうです)どの工夫もほとんどが「手作り」です。佐野保育園の一つ目のこだわりがこの「手作り」。机と椅子はメジャーな「手作り」ですが、なんと「手作り」のすべり台があります。
牛乳パックでできたすべり台は初めて見ました!1日3時間くらい、1週間で完成したそうです。その他にもたくさんの手作りおもちゃがあります。市販のおもちゃにはない、触り心地の良いおもちゃの数々に、保育士さんの温かさをも感じました。
園長先生の鈴木先生にお話しをお伺いしました。
「1年間、行事が充実している園」
元々は幼稚園の先生だった鈴木先生。ずっと3・4・5才の幼児さんと携わってこられました。しかし幼稚園のお仕事は持ち帰りも多く、体力的にもしんどくなってしまった時、佐野保育園の募集を知りました。「0・1・2才児さんと関わってみたい。そして小さな園で仕事してみたい」という興味心と冒険心が今に至ります。当時は行事らしい行事がなかったそうです。そこで鈴木先生は、子どもも保育士にもメリハリのある保育園生活が送れるように、様々な行事を提案していきました。今では、各行事のリーダー保育士さんが自由な発想と個性で行事を取り仕切ります。次の年のリーダーさんには、過去にこだわる事のなく好きにやってもらえるように心掛けている、との事です。
「女性が働きやすい職場」
30代から50代、14人の保育士さんと園長の鈴木先生で佐野保育園は成り立っています。子育て世代が多いので、多様な働き方を認めているそうです。週に3回だけ、午前中だけなど、保育士さんの子育てに合わせた働き方が出来ます。鈴木先生が幼稚園で働いていらっしゃった時、多忙でご自身のお子さんの行事などに参加出来なかった事が可哀想だったとの想いから、自然と多様になっていったそうです。保育士だからこそ、保護者の方から羨ましがられるような子育てを目指していきたいですね。
保育士の小林先生に聞きました。大きな保育園で働いていらっしゃった小林先生。17年のブランクを経て、ご近所にあった佐野保育園で働き始めたそうです。「認可園を辞めてからも、いつかは保育の仕事に戻りたいって気持ちがずっとありました。」小林先生も3人のお母さん。一番下のお子さんの幼稚園バスのお迎えまでが勤務時間です。「担当している子どもが慕ってくれてすごく可愛いですし、保育士同士協力的な環境なので、笑い声が絶えず、とても楽しいです。」当初は働くことが不安だったそうですが、ご自身の子育てを優先してくれる環境であり、保育士さんの横の繋がりの強さに安心して働く事が出来るのだそうです。
最後にしのぶ先生にお話しを伺いました。しのぶ先生には、ご自身の「佐野保育園愛」について語って頂きました!「少人数だから子どもとの距離が近くて、些細な成長もしっかりと感じられるところです。また、保育士同士お互いの相談や提案などを尊重し合えるところも魅力的です。」今年は食育のリーダーさんのしのぶ先生。「子どもたちに何かをさせるのではなく、食材を触って子どもたち自身が何かを感じることが食育でいいんだなぁ~」と考えるようになったとの事。「何事も、園長先生が「とりあえずやってみて!失敗してもいいからねっ。」と背中を押して下さるからチャレンジ出来るそうです。